Ⅱ.恋の味…?

14/15
648人が本棚に入れています
本棚に追加
/44ページ
「俺、苺ミルク好きなんだよね」 少し身体を前かがみにして。 彼女との距離を少しだけ縮めて。 「内緒にしてね」 わざと耳もとに近い位置で、そんなことを言った自分にも驚いてしまう。 余裕な振りして、余裕な笑い。 本当は、初めてのこの距離に。 そのまま倒れるんじゃないかと言うほど上がる心拍数。 フワリ、甘い香り。 あまりにも近くで感じた彼女の匂いに、触れたい衝動を抑えてその場を去った。 手には、苺ミルク。 甘酸っぱい、恋の味? ……馬鹿だな、俺。
/44ページ

最初のコメントを投稿しよう!