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「俺、苺ミルク好きなんだよね」
少し身体を前かがみにして。
彼女との距離を少しだけ縮めて。
「内緒にしてね」
わざと耳もとに近い位置で、そんなことを言った自分にも驚いてしまう。
余裕な振りして、余裕な笑い。
本当は、初めてのこの距離に。
そのまま倒れるんじゃないかと言うほど上がる心拍数。
フワリ、甘い香り。
あまりにも近くで感じた彼女の匂いに、触れたい衝動を抑えてその場を去った。
手には、苺ミルク。
甘酸っぱい、恋の味?
……馬鹿だな、俺。
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