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反論することもできた。抵抗することも、我が儘を言うこともできたかもしれないけれど、なによりも篠田先生の言葉だから私は言い返すことができない、彼も同じような経験をしているから憧れで好きになり、恋をして追いかけて、結局、追いつけずに置いてけぼりにされた。篠田先生は私にそんなことをしてほしくないから言ったのでしょうが、私に諦めるという気持ちはありません。我が儘を言っていいと教えてくれたのも先生なんですから、
「先生、私、大人になったら付き合ってくれますか?」
「諦めろよ」
「嫌です。これが我が儘なんです。答えてください」
「まぁ、その頃も俺が独身だったらな」
「約束ですよ」
私は篠田先生のそっと近寄って頬にキスをした。運転中で身動きのとれないからこそできる荒技です。恋の片道切符はどこまでも、いつか続く先生とのハネムーンまで
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