逃【そとのせかい】

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……そこから何が起きたのか、それは説明しなくても分かるだろう。 とにかく、この一件で自信を付けた彼は、奴らに積極的に立ち向かい、返り討ちにしてきた。 力に目覚め、もはや適わないと分かっていないのか、それとも上の方からの命令なのか分からないが、奴らは何度倒しても彼の前に立ちふさがった。 そのたびに倒す。 そんなことを、彼はほぼ毎日繰り返した。 最初は楽しそうに奴らを倒していたが、1ヶ月ほど経った辺りで飽きが来た。 そして、それからは奴らの相手を作業のように思いながら、何も感じず、ただ淡々とするようになった。 正直手応えがなく、すぐにやられるので、面白みが無い。 そして、毎日のように相手をしなくてはならない。 力を得た時は、心に余裕が出来ると喜んでいたが、今はある意味で余裕が無く、結局は最初の頃に戻った。 力が無くてもあっても、心境は同じだったのである。
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