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月明かりが照らし、白く光っている廃墟。
天井は既に崩れ落ちており、壁もボロボロで少しの衝撃を加えようものならすぐに崩れてしまいそうだった。
町外れにあり、廃墟マニアでもない限り好き好んで立ち入ることはないであろう、その場所に。
「……ふん」
一人の青年が、月明かりに照らされて立っていた。
顔付きは鋭く、他者を寄せ付けない印象を持っている。
服装は黒で統一しており、所々赤い点が目立っていた。
そんな彼の足下には。
「うぅ……」
倒れた男達が、少なくとも10人ぐらいはいた。
彼らはどれも黒いスーツを着てサングラスをかけており、雰囲気からして堅気では無いことが分かる。
そんな、呻きながら倒れていてもそれが分かる彼らを、青年はいとも容易く倒したのだ。
青年はいったい何者なのか。
まずは、それを説明しなくてはならないだろう。
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