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……のたうち回ると、そう思っていた。
だが、いつまで経っても衝撃はこない。
いつの間にか、篤は目をつぶっていた。
恐る恐る開け、周りを見る。
「……な……!?」
そして、今の自分の状態に驚愕した。
何と……彼の身体は、宙に浮いていたのだ。
もう少し詳しく言うと、周りに薄い膜のようなモノが張っており、彼を守るかのように存在していた。
「……こ、これはいったい……」
今起こっている状況が理解できず、困惑する。
取り敢えず、この膜は自分に害を及ぼすモノでは無いことは理解できた。それなので、次に、これをコントロールできないか考えた。
試しに、消えるよう思ってみる。
すると膜はすぐに消えた。
逆に、また膜を張れるかどうか確かめると、同様にできた。
特別なことをしたわけではなく、ただ思っただけでコントロールできたということは、操作は簡単だということだ。
実際、膜を張りながら移動してみると、シャボン玉のようにフワフワ移動することも、逆に車のように速く動くことも出来た。
突然現れた膜に最初は驚いたが、容易く操作が出来ると分かると、胸が高まってくる。
そして、思った。
「……今まで逃げられたのは、コイツが自動的に張られたからか」
思わず口に出て、膜を軽く叩く。
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