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「秀ちゃんさぁ、初めてキスした日の事覚えてる? 」
二人で小川の上の土手を歩きながら、悪戯っぽい笑顔で俺の手を握った操が言った。
賑やかな昼飯を終え、ひとみと健太が昼寝に入ったのを見届けた操が俺を散歩に誘ったんだ。
お袋は俺の作業着のほころびを繕っている。
「お母さん、すいません。秀ちゃんの繕い物まで…」
操が申し訳無さそうに言った。
しかしお袋は笑顔で答える。
「いいんだよ。操も毎日内職で大変なんだから
日曜日くらいゆっくりしな
あたしだって何かしてなきゃボケちゃうしね」
「お袋、悪ぃな。ちょっとぶらぶらしてくるよ」
「お母さん、晩御飯は私が作るからね! 」
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