117人が本棚に入れています
本棚に追加
/37ページ
郁美さんとの探偵ごっこは、毎週金曜日の御約束。
成果は全くなく、未だに旦那さんの尻尾は掴めない。
ご近所さんの目撃情報も、あの日を境にぱったりと無くなっていた。
やっぱり私が見たのが原因だったんだろうか。
あのスーパーの女が浮気相手？
でも妹って言ってた。
じゃあみんなが目撃したのは、妹と旦那さんだったってこと？
だったら後ろめたいことはないんだし、その辺を二人で歩いていてもいいはずだ。
私の推理はどこで間違ってしまったのか。
旦那さんの挙動は明らかに変だった。
それに郁美さんの証言もある。
相変わらず夜の方もないそうだ。
「もう一年が終わっちゃうわねー」
郁美さんは喫茶店のガラス越しにちらつく雪を見て、ため息交じりに呟く。
大人になると時間が過ぎるのが早い。
一日なんてあっという間に終わる。
だから一年もあっという間。
最初のコメントを投稿しよう！