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そんな葛藤を抱えながら、一月三日。
俺は亜由子の元を訪れた。
亜由子はいつもと変わらず俺を出迎え、コタツを勧める。
剥いたミカンを俺の前に置き、にっこりと笑う。
「あけましておめでと」
「おめでとう」
「今年もよろしくね」
「こちらこそ」
来年の新年の挨拶は、ぜひ元旦にしたいものだ。
コタツで寛ぎテレビを見ている間に、亜由子は支度を調えた。
これから二人で芹沢家に顔を出す予定だ。
斑目がもうすぐ迎えに来るだろう。
「これ、どうかな?」
俺の前でくるりと回った亜由子は、膝丈の白いスカートをふわりと揺らめかせる。
何を着ても可愛らしく見える。
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