序章「転生前」

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ピーポーピーポ――― 遠のく意識の中で覚えているのは救急車のおなじみの音。 忙しなく俺を囲っている警官と野次馬の人たち。 人生いろいろ、大変でした。 でも、一瞬って案外悲しいな。 さて、寝よう。 俺は今腰が痛いんだ、ものすごく痛いんだ、ついでに腹も痛いんだ。 そろそろ、寝ないと…ヤバイは… 〈一時間前〉 「よぉ、太陽。今日も俺と遣り合おうってか!?」 俺は長年のライバル太陽にむかって言い放った。 「まったく…こんな熱い熱波を日ごろから浴びせ続けやがって…」 どうしてこうも熱いのだろう…夏だから?解せぬ!解せぬぞぉ! 「おい、黙れ廻(めぐる)!追試中だぞ!」 そうだ、俺今日追試やってたんだな。 どおりで目の前にぷ、プリントが…うわぁぁあ!? できてるじゃん。 いやねぇ、仮眠はプリントやり終えてからするもんだぜぇ? じゃないと、先生に怒られるだろ? 「せんせーできましたー」 「やっとか…もうほかのやつらは帰ったんだぞ」 「白状なやつらなんですよ、きっと」 「もう先生をお前という鎖から解放してくれ…」 いやいや、俺はそういう趣味はございませんよ? それよか、終わったぜ!追試!今日から夏休みだぁ!!! 「せんせー!帰ります!じゃ!」 「帰れー帰れー」 まず、帰って何するか?決まっている… 夏休みと言ったら…! 夏休みと言ったら… 夏休みと言ったら
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