第二夜:大貴と昇平

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闇に包まれた深い森の中。 俺を見下ろすように生い茂った木々が怪しく揺れている。 その木々の隙間から摺り抜けるように何かがボトリと俺の右足首にぶつかる。 椰子の実くらいの大きさのその物体を凝視すると、高校生と思われる男性の生首であることに気づいた。 その生首の横には5才くらいの女の子が無表情でいつの間にか立っている。 生首を持ち上げた少女は、笑いながらソレに噛み付いた。 グジュグジュと音を立てながら、少女は目を見開いた男性の頭部に歯を立てる。 その時点で夢だと気づき、落ちそうになっていた頭を左手で抑えながら、右手でキーボードのエンターキーをクリックする。 カチッという音に合わせて時計に目をやると、草木も眠る丑三つ時であることに気づいた。 『もうこんな時間か……。気持ち悪い夢だったな……。寝る前に変な掲示板のスレッドを読んでいたからかな……』
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