第1章

10/19
前へ
/41ページ
次へ
敏感な部分の刺激に気を取られる。力が入ると、花の中にある指の感触がする。 だんだんと息も荒くなり、意識が白くなって行く気がする。  声を出さずにはいられない初めての快感の波に、あたしは飲まれてた。雅也は繰り返す。 「ねぇ、これ本当にレイプ?」 「・・・っ・・・ぁぁあ・・・!」 やがて知らない大波があたしの全身を覆った。雅也の手の動きも早くなり拍車をかける。頭の中の真っ白が弾け、全身に広がり震え、 あたしは脱力した。  あたしと雅也は、本当のエッチはした事がない。 いつも彼があたしをいかせて、終わりだった。  会ったら変な事をしないっていう約束なんて、無理だろうか。  彼を信じること自体が無理な話なのだろうか。  でも、彼は言った。 『・・・俺を元に戻せるのは、お前しかしないのに』と。  あたしに何か出来ることがあるのならば。刑務所に戻る前に・・・。 「はぁ~・・・っ、甘い、あたし甘い!」  こんなだから誘拐・監禁なんてされたんだ。  自分の身を守るのは自分しかいないのに、この次から次へと浮かんでくる【雅也のため】の行動は一体なんだろう。  迎えに来るのを前提に旅行カバンまで用意して・・・。    心の中で自分を責め続けながら、気付いたら眠りについていた。
/41ページ

最初のコメントを投稿しよう!

10人が本棚に入れています
本棚に追加