第3章

14/14
101人が本棚に入れています
本棚に追加
/45ページ
見舞いにきた俺らは、部屋に入れてもらった。 そこでは… 「ねぇ、優。僕さ、せっかく気分良かったのに、君のせいで台無しだよ?」 「いや、悪かった…から…そろそろや…」 雫が優を縛り倒していた。 「…お邪魔しまーす」 「ちょ、凛礫!!スルーすんな!!」 「……どうぞ。ちょっと待っててね」 「……お邪魔します」 「うわ、転校生にまでスルーされた…」 共同リビングで待つこと少し。雫がお茶を持ってこっちに来た。 「おまたせしたね」 「いや…大丈夫だよー」 「…体調は大丈夫?」 「うーん…昨日よりはマシ、かな。明後日本番だから、まぁ、後で行くつもりだったんだけど…」 優に止められかけて…とため息。よく見ると彼は制服に着替えていた。 「…なぁ、地味なの…」 「笹川、だよ」 「…笹川、俺の代わりに制裁を受けてたって…」 「あぁ…本当だよ?」 雫の答えに、誠は苦しそうな表情をする。 「俺のせいで…」 「誠のせいじゃないよー?」 「誠は何もしてないよ!!」 「でも…」 誠の様子がおかしい。と… 「…金刺君は悪くないよ」 「!?」 「「雫…」」 雫が、誠を抱きしめていた。 「ったく…なんで俺が……って…!?」 優がようやく復活したらしく、起き上がっていた。 そんなことは気にせずに、雫は誠に何かを囁く。すると、誠は目を見開き、何か驚いたような顔をした。そして… 「………ありがと」 小さく、声が聞こえた。 俺らは それをただ見ていることしかできなかった。 side end
/45ページ

最初のコメントを投稿しよう!