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残された、僕と副会長。
「……副会長?」
「なんですか、雑用係」
「行かないんですか…?」
恐る恐るしたその質問に、副会長は首を振る。
「…あのまりもよりは、貴方の方が可愛いと思いますからね」
「………え?」
思わずキョトンとする。
「…いつも見ていましたよ。貴方の働き、一人の時に頑張っている姿も…全部。」
「……だって、皆さん仕事をしませんからね…」
…なんか、怖い。
「時々、隣の仮眠室から見ていたのですが…貴方、以外と可愛い顔をしているようですね?」
「…!!」
僕は生徒会で一人の時は前髪をあげている。それを…見られた?
「………見た、のですか?」
「見ました。とても綺麗で…」
「………………………」
見られた。
女の子のような、その顔を。
『ハハハッ…まるで女みてぇだなぁ?』
『もっと鳴けよぉ!!』
フラッシュバックする、記憶
「……で…?雑用係?大丈夫ですか?」
ずっと何かを語っていた副会長は、僕の様子に気づいたようだ。僕はズキリと痛む頭と、悲鳴をあげる心を必死に押さえ込み、笑顔を作る。
「…大丈夫、ですよ?副会長、さん」
「顔色が悪いようですが…」
「大丈夫、です、から…」
早く、出ていってほしい。
頭が痛い。
『…可愛い声だね、雫ー』
ズキ
「っ…は…」
「雑用…いえ、笹川君!!」
かくん、と力が抜けてしまい、副会長に支えられる。呼吸がままならない。
「笹川君…ゆっくり、息を吸ってください。私はなにもしませんから…ね?」
「ん…はっ…」
ゆっくりと背をさする副会長の声は、いつもより格段に優しかった。
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