第2章

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副会長の部屋は、やっぱり綺麗で整頓されていた。 ちなみに、この学園は全寮制で、生徒会の面々は一番学校に近い棟に住んでいる。僕はまぁ…例外として、一番遠くに追いやられてるけれどね。 「さ、ここで待っていてください」 「はい…」 そっとソファーに座らされた僕は、さっきのことを思い出す。 副会長先輩に見られてしまったこの顔。女顔で、目は大きく肌も白い。そんな僕は……過去に、汚されてしまっていた。この身体の中も外も…もう、壊れてしまっている。僕はそれでも今が大切だ。助けてもらった身体は、大切だもんね? 「……笹川君、何が食べられますか?」 「あー…基本的にはなんでも、です。でも…」 「でも?」 「できたら、消化のいいもので…」 「消化のいいもの、ですか…」 うーん、と考えている副会長。そういえば副会長って料理できたのかな…? 「副会長」 「なんですか?」 「副会長って料理できるんですか?」 「…目玉焼きは焦げないでできますよ?」 ダメだこりゃ ため息をついた僕は副会長にこう提案した。 「なら、台所貸してください」
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