101人が本棚に入れています
本棚に追加
/45ページ
副会長の部屋は、やっぱり綺麗で整頓されていた。
ちなみに、この学園は全寮制で、生徒会の面々は一番学校に近い棟に住んでいる。僕はまぁ…例外として、一番遠くに追いやられてるけれどね。
「さ、ここで待っていてください」
「はい…」
そっとソファーに座らされた僕は、さっきのことを思い出す。
副会長先輩に見られてしまったこの顔。女顔で、目は大きく肌も白い。そんな僕は……過去に、汚されてしまっていた。この身体の中も外も…もう、壊れてしまっている。僕はそれでも今が大切だ。助けてもらった身体は、大切だもんね?
「……笹川君、何が食べられますか?」
「あー…基本的にはなんでも、です。でも…」
「でも?」
「できたら、消化のいいもので…」
「消化のいいもの、ですか…」
うーん、と考えている副会長。そういえば副会長って料理できたのかな…?
「副会長」
「なんですか?」
「副会長って料理できるんですか?」
「…目玉焼きは焦げないでできますよ?」
ダメだこりゃ
ため息をついた僕は副会長にこう提案した。
「なら、台所貸してください」
最初のコメントを投稿しよう!