第2章

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side 副会長 ……私の名前が副会長のままなのは突っ込みません。 今、私は生徒会の雑用係こと笹川雫君といます。 去年の秋からの付き合いですが…この子だけは、いまだにつかみ所がない不思議な存在だと思います。 透き通るような綺麗な目 それを隠す髪は漆黒でさらさらとしていて。 彼の素顔を見たのは、居残っていた彼を仮眠室から覗いた時。 長い前髪がないだけでも、その綺麗な顔は際立っていました。 「…隠さなくてもいいのに…」 それを伝えると過呼吸になりかけていたので…なんかしらのトラウマがあるのでしょう。 でも… 「勿体ないですね…」 会長…明人に話してみましょうか…でも本人がいやがっていたので… 「…先輩?」 「…!?ど、どうかしましたか?」 「あ…えっと…調味料、どこですか?」 考えているとキッチンから笹川君がこえをかけていました。私は場所を教えるとありがとうとそのまま戻っていきます。 …さっきまで、死にそうな顔をしていたのに、いまはもう私の為に料理を作っている。 本当に― 「不思議な子ですね」 私はクスリと笑いました。 副会長side end
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