第2章

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…とりあえず、料理を作って。 「出来上がり、です。」 「…これ、は…」 「あ、和食苦手ですか?」 「いえ…寧ろ好物です。」 肉じゃが。あと味噌汁。 料理をしない割には材料がそれなりにあったから、作ってみた。副会長は驚いたみたいでちょっと嬉しい。 「副会長、材料がそれなりにあったのですが、誰か料理しに来るんですか?」 「あ…時々明人…会長がくるんですよ。」 「あ、それで…」 納得。 「…ところで貴方はそれでいいんですか?」 「え?あ…はい。」 対する僕のもとにはお粥。…まぁ、あんまり固形物は喉を通らないから仕方ないのだけれどね。 「じゃがいもだけとかなら食べれますんで。さ、どうぞ食べてみてください。」 「では………いただきます。」 ぱくっと食べる副会長。そして、 「お…おいしいです…!」 ぱぁっと笑顔。 「よかったです。副会長の笑顔見られて」 「!?」 「いつもの似非笑いより自然で、ちょっと嬉しいです。」 「……そう、ですか…」 僕はお粥を食べる。うん、味付けはまぁまぁかな。 「…ありがとうございますね」 「…………え?」 副会長が呟いた一言は、よく聞こえなかった。
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