第2章

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そんなわけで、今日は暴れに行かないらしい令也は、俺の横に胡坐をかく。 「…で、何してんだ優?」 「えーっと…」 ちなみに今はパソコンを開いていろいろと調査をしていたところ。噂の転校生君のこととか… 「…学園のサーバーに潜入して、転校生くんのこと調べてたんだよ。あと、もうすぐ学園祭だからね…」 「あー…そんなのもあったな」 この学園には行事がいくつかある。そのうちの一つがこの行事。 春に行われるこの行事は、委員会が主体となる文化祭のようなものだ。…ちなみに今は5月。転校生は不思議な時期にきたようだ。 令也(雫)は生徒会で、俺は無所属。この学園祭は、外部の方も来るが、委員会の宣伝も兼ねているものであるから…それなりに楽しそうなんだよね。 「生徒会は何をするの?」 「…確か、喫茶店」 「喫茶店!?」 「……副k…竜也先輩の実家の方が茶屋なんだと。そこで紅茶も作ってるからそれをもしよかったら…ってことらしい」 「へぇ…」 なんで副会長を名前呼びなのかは聞かないでおこう。 「じゃあ、生徒会の全員が給仕でもするの?」 「会長は乗り気じゃない感じだったが…雫は料理するらしいぞ?紅茶クッキーとか」 「確かに雫、料理うまいからね…」 「あと、指名すれば、相談みたいな…話ができるらしい。親衛隊用のサービスみたいなもんだな」 そうなんだーと笑いつつ、俺はちょっと心配になる。 雫は親衛隊によく思われていないって思っているんだろうけれど、結構生徒会の中では人気が高いんだ。だって会長は親衛隊の子の気持ちも考えずに軽く抱いているし、副会長は親衛隊にあんまりいい思いをしていないみたい。双子はよくわからないのだけれど、書記さんとチャラ男だけが親衛隊と仲良くしている感じ。 雫はというと…結構親衛隊の子と仲がいい。最初は庶民だからってかなり手ひどい歓迎を受けていたみたいなんだけれど… 会長の親衛隊さんを慰めてあげたり、副会長の親衛隊さんを励ましたり…なによりその手作りクッキーなどのお菓子がおいしいと評判で、生徒会親衛隊のお茶会にも招待されるくらいなのだ。 「…雫に貞操に気を付けてって言っておいて?」 「……わかってるよ…」 令也はため息をつきつつ笑った。
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