第3章

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「…逃げないでくださいね…っ」 ふう、と息をする彼の髪の隙間から見えるその目。眼鏡越しですが… 「確かに…さ迷ってますね?」 「………雫……」 「?雪、どうかしましたか?」 雪(書記)は私の服の裾を掴んでなにかを伝えようとします。雪は言葉を考えるのが苦手で、あまり話すのが得意でないために、言葉が途切れとぎれなんです。 「…雫……臭い…」 「??雪、もっと具体的に言えねえか?」 「……僕、お手洗いいってきます」 そんなことをしている間に、雫君は退出してしまいました。 「…雑用君、変だったね?」 「そうだね、礫」 「なんか…辛そう?だった?」 「そうだね…」 双子の礫と廉が首をかしげていました。 「変でしたか?」 「あ、副会長」 「あ、副会長…うん、変だった。」 「シャツの合間から見えたんだけど」 「胸元、アザだらけだったから」 「「多分、何かされてるのかも?」」 双子は少し心配げに私に言います。 「…明人」 「あぁ…一応あれは、大切な雑用だからな」 「雪、彼の後を追ってもらえますか?」 「ん…」 私は、彼のルームメイト…優くんに連絡をしました。 竜也side end
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