第3章

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破かれはシャツの間から見える、打撲痕。 それは青黒く、明らかに何度もやったようになっていた。 「雑用…それ、は…」 「……あー…ばれちゃいましたか。俺、隠してたんですけどね?」 「!?」 一気に雰囲気が変わる雫…いや、令也。一人称が俺になっているから、令也が雫と入れ替わっていたようだ。 「これじゃ、やってきたこと無駄ですかね…折角痛い思いしてまで、みなさんのお気に入り守ったのに…」 あ、この感じ…ちょっとやばいかも。令也が日常に出てくるのがまず普通じゃないから…よし、と俺が帰らせようとしたとき、 「…笹川くん。今日のところは帰ってください?」 「お、おい、竜也…そんなの、俺様がゆるさ…」 「「かえんなよー?」」 「そぉだねぇ?ふくかいちょーの言う通り、雫たんはかえってねんねしなょぉ!!」 妙に優しい会長以外の役員。わんこ書記は、 「…雫…優…はこ…」 「あー…わかったよ。一緒に戻るか?」 「…ま…今日は副会長のお言葉に甘え、帰り…ま…す…」 がくん、と力の抜ける雫(令也)。あわててわんこが支えた。 …案の定、倒れてしまった。わんこ…えっと雪先輩は、とても心配そうに雫を見る。 「雫…?」 「雫君!!」 「………気を失ってるだけみたぃー」 「…僕らもあとでお見舞いいこうか?」 「そうだね礫」 チャラ男と双子は心配げに言葉を交わす。
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