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部屋につくと、雪先輩に雫を共有リビングのソファに寝かせてもらう。
「……ここ…?」
「あぁ、そこでお願いします。」
「……ベッド…?」
ベッドに寝かせないの?だろうか。彼はソファに毛布を敷く俺に問いかける。
「雫の部屋、入ってもいいんですけど…多分、雫は望まないだろうし。あと、ここで寝かせたほうが先生呼べますし。」
「……先生……?」
「保健の女の先生です。部屋よりいいと思いますから…」
「…呼ぶ……?」
「呼んでありますよ。雫が倒れたって言ったらすぐにくるって。」
「…保健室……?」
「保健室に行くと多分、今日は部屋に帰ってこれないと思いますから。」
「……?」
…これで会話が通じているからすごいよな。首をかしげた彼を横目に、俺は雫を見る。
おそらく、積み重なった疲労と精神的なストレスが原因だろう。意識を失っている雫は無防備になる。いつも子猫のように気を張っている彼だから、こんな風になるのは少なくない。俺はそっと毛布(俺の私物)をかけてやる。
しばらくして、雪先輩は心配そうにしていたから帰らせ、待っていると…
「やほー☆」
「遅いですよ、先生」
「あははー、これでも急いだんですよー?☆」
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