第3章

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side 凛(双子兄) やっほー!! 生徒会会計、双子の兄、笹塚凛だよー? 今日は学園祭2日前。昨日は俺らの生徒会雑用係・笹川雫くんが倒れてしまったんだ。原因は… 「え…?あの雑用がオレを庇ってた…のか?」 「うん、そーだよ?」 「雫、誠も学園の生徒だからーってねー?」 礫と二人で話しかけている毬藻みたいな髪型の転校生・金刺誠。彼はちょっと面白い見た目をしているからって、礫がとっても気に入っているんだ。 「確かに、時々物がなくなっていたりしたけれど…いつの間にか新品があったりしたし…」 「…多分、雫だね…」 「だねー」 どうやら、誠も心当たりがあるようで。 「……なぁ、あいつにあえるか?」 「「え?」」 「…いや、庇ってもらったし、倒れてしまったなら…その、み、見舞いに…」 「あー…行ってみるー?」 「あ、わかったー、じゃあ、会長と、雫の同室の子に連絡してみるね?」 ちなみに今は学園祭準備。生徒会の使う会議室の中。会長と副会長二人は、まだ仕事があるらしくって生徒会室に引きこもっていて、雪先輩に関しては…多分まだ寝ているだろう。時間は午前7時。まだ一般生徒はあまりいない時間なんだ。 誠がいたのは、早く目が覚めてしまったからだそうだ。 俺は会長に許可をもらって、雫の同室者、優にも電話をした。 「優?」 『…ぁ?』 「俺だよ、凛だよ?」 どうやら寝起きらしい彼は、明らかに機嫌が悪かった。 『なんだよ…』 「雫の様子ってそうかなーって。誠がお見舞いに行きたいんだってさ?」 『あ?…そういや雫……って、何してんだよ、ぶっ倒れてたのに!!』 どうやら雫は起きていたようだ。…多分、昨日あんなことがあったのにもう料理とかしてるのかな…? がたがたと大騒ぎの声がした後、 『あ、凛君?』 「あれ?雫?えっと…大丈夫?ってか優は…?」 『優なら……うん。僕が料理作ってるだけでやめろって言うから、寝かせたよ。僕自身は大丈夫。あと…お見舞いだっけ?おいでよ!!』 「あ…うん。」 ちょっとテンションが上がっているのか元気な彼に許可をもらって、俺らは、彼のもとへと向かった。
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