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「その前に何でテメーはこの環境を変えたいと思った」
「地元の環境を改善したいと思うのは当たり前やろ?」
「ホントにそれだけか?」
サセトの環境改善の目的を問たマリアはサセトの答えにまだ何か隠していると確信し、さらに追求をする。
「まぁ…後は今や伝説と呼ばれるようになった魚を蘇らせたいとも思っとる」
「伝説?」
キョトンとした声がしたのは、入り口付近に控えていた仁だ。
「鯛や鯖、鮃と言った昔は普通に居た魚だよ。
今や水質汚染で絶滅したとも言われとるやつ」
サセトはそう言うとタブレットを操作し、それらの画像を表示させ、見せる。
するとへぇーと興味深そうに画像を仁とユーリンは見ていた。
「んなもん人工魚がいるだろ」
「俺が目指しとるのは天然もの、もしくは海に浮かべた生け簀での養殖じゃけー。
だから必要なんだよ」
「そもそも絶滅した奴をどうやって蘇らせるつもりだ?」
「子孫に当たる奴を探し出して遺伝子を採取する手も考えちょる。
あと、鯛は存在する」
「はぁ?ハハハハハ今てめぇは絶滅したつったじゃねーかよ」
矛盾していると言わんばかりにマリアは笑う。
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