目に焼き付いたのは―――

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そして月日は流れ…… 「やっぱり中佐ここにおった」 「ん?あぁ、マリネ少佐か、何なんね?」 お世辞でも綺麗とは言えない海の防波堤に座り糸を垂らしている男へ水兵の様な服を着た女性…マリネが声を掛けると、男は釣り糸から目を離し振り返った。 「総統様が呼んでましたよ?」 「げっ… おらんってゆってくれたじゃろーね?」 「ここにおるって言いました」 ニッコリと笑ってマリネは答えると、その返事に男―サセトはがっくりと肩を落す。 「ハァ…頼むけー今度からはあいつ…じゃなかった総統に俺の居場所聞かれたら知らんって言ってくれんか?」 「そんなに嫌いなんですか?」 「いや、そーじゃのーて、総統が俺ん所来る時は大概面倒事しかよこさへんじゃろ」 意外だと言わんばかりにマリネは言うと、サセトは一度上げた糸を再度海へ投げ入れながら言う。
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