垣間見た光景

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   一週間、学校を休んだ。病欠ということにして、生徒会長である早苗と顔を合わせぬように休んだ。  そして、今日は学校へ行かなくてはならない。  片想い。私の初恋は片想いで、相手は同性で……。膨れた気持ちに整理をつけようとしてみた。  同時に、自分はおかしいのだと、思った。  異性へ向くはずの好意。まさか、私が同性を好きになるなんて……辛い。  世間では、同性を好きになることを受け入れる人は少なくて、ましてや、親に相談は出来ない。  大事に育ててくれた親に、同性を好きになったなんて……言えないよ。  バス停で列をなす人の最後尾に立ちながら。私は不安の籠った息を吐き出した。  そんな私の後ろに、他校の制服を着た女の子たちが並ぶ。 「なんでぇ~。なんで三鷹様が死ななきゃならないのお~。ひどい。綾音ひどいよお!」  声を大にした一人の女の子が、朝とは思えないほどに気が昂っているのが背中に伝わる。 「構わないじゃない。私の描く物語よ? 貴女の意見を取り入れるなんてことをしたら、それは私のもので無くなってしまうわ」  それとは真逆に、とても冷静な声が聞こえてきた。  たった、この少しの会話で……仲の良さが伺える。  私と早苗も。こんな風に今まで話してきた。  友達だから、今日からも……そう話すのだろう。  私が、ちゃんと友達として接することが出来たら、の話だけど。  
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