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いつもいつも。
もったいないじゃない?
なんで電気、つけたままなの?
電気代だって、ただじゃないし。
もう、寝るんでしょ?
消すわよ、電気。
ねぇ。
なんで、そんなに震えてるの?
なにか、こわがってるみたいじゃない。
いったい、なにを見て・・・
なにあれ。
窓。
なんだか、変な
なぁんだ。
カーテンに影が映ってるだけじゃない。
木よ、木。
となりの、にわの柿の木。
ふふふっ。
あんなものがこわくて、電気消せなかったの?
あいかわらず、かわいい人ね。
でも、たしかに。
やせた、人の形にも見えるわねぇ。
あら。
ほら、見て見て。
なによ。
だいじょうぶよ。
ただ、風で枝がゆれてるだけでしょ?
ほらほら。
まるで、踊ってるみたい。
どうしたのよ。
こわくなんかないじゃない。
逆に、おもしろいわよ?
あはは。
変な踊り。
あんなに、腕をふりあげて。
あんなに、足をふりまわして。
あんなに、首をふりみだして。
あら?
どうして?
影が、ちいさくなってきた。
影が、だんだん濃くなってきた。
これって
これって
ちかづいて来てるってことよね?
どうして?
なんで?
なんで木が
うちの窓に
どう
どういう
どういうこと
「五月蝿い!黙れ!一体お前は誰なんだ!ドアは閉めたのに!鍵も掛けたのに!お札も・・・お札もドアに貼ったのに!どうして俺の部屋にいるんだ!・・・畜生・・・やけに家賃が安いと思ったら・・・始めての一人暮らしなのに・・・」
ふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふふ
「うわあぁぁぁぁぁ!」
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