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「さな、お前さ、雑誌見ながら独り言がでか、い……」
今までパソコンを弄っていた和真が椅子の背凭れに凭れて、こちらに振り向いた。
「ぁああ!はいはい。分かってますよ~おパンツ見えちゃった?
……女の子だから、って説教はなし!もう、耳にたこ。
暑いんだからしょうがないでしょ」
…暑くない、けど。
「…俺そろそろ、あっち行くけど…さなも今日は行く?」
あっち、すぐ隣の…この部屋の窓から見える部屋。
「今日はいいや、和真だけ行って」
笑って応える私に、和真は「そっか」と小さく呟いて淋しそうな顔をする。
「あ、行く前に雑誌だけいつものと替えて貰ってもいい?」
「何だよ。また同じやつ?違う雑誌買ってきたろ」
ふ、て……優しい顔で笑った和真は、いつもの様に私のいるベッドに、いつものページを開いて
「行って来る。すぐ帰って来るから」
そう言ってパタンとドアが閉まった。
私は、杉山さな(16)
和真がお隣の玄関へと声を掛けて入って行くのを見届け、またゴロンと先程と同じ様にベッドにうつ伏せで寝転がり…
和真が買って来た、新しいファッション雑誌の山をチラッと見て、さっき頼んだ雑誌を見る。
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