第1章

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女の子…。 いつからだろう? 和真が、私を女の(子)と言うようになったのは。 雑誌から視線を窓の向こう…私の、かつての家。和真の部屋の窓から見える部屋は私の…私と加奈の二人の部屋が見える。 加奈(かな)は私の双子の姉。 私とは性格がまるっきり逆、おっとりしていて勉強も出来て……私の好きな人。 でも、私の方が料理は上手。スポーツ万能…あとは… 『さな!なんでこんな、大雑把なの!?』って 「ぶっ!」 思い出して思わず笑ってしまった。誰かに見られたらはずっ…部屋だし…だ~れにも見られないけどね。 また、雑誌へと視線を戻すと もう何度読んだのか解らない、読まなくてももう一字一句間違わない自信があるよ。 双子の男女のお話 男女の双子が生まれるには… 前世で、一緒になれなかった男女が次の世で、ずっと一緒に居られるように願い、生まれて来たのが男女の双子と言う話。 それじゃあ私は? 何で『女』になってんの? いや、このさい女でも何でもいい。問題は…双子で生まれた後、その二人は恋に堕ちる訳? ま、あえてそこもスルーして堕ちたとしよう。 でもさ、普通は前世の記憶なんてないでしょ! ねぇ!? 無いよね? ところが、だよ!?有るわけよ私、杉山さなには… 何で?
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