第1章

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母曰く『加奈よりも小さな、さなが加奈をぎゅって抱きしめてたのよ。もう、先生もびっくりしてたわよ』 残念ながらお腹の中にいた頃の記憶は残っていない。 少し大きくなってから時々、前世の、加奈と過ごした日々や、愛し合った日々を少しずつ思い出すのと同時に、加奈を姉妹や家族とは違う『好き』が自分の中で大きくなっていくのが恐くなった。 でももし、加奈も私と同じだったら? 何度も そんな風に思った事もあるけど。 16才にもなって、『前世が』とか本気で信じているわけでもないし、これは私の…加奈への少し人とは違う歪んだ『好き』と言う罪悪感か、なんかよく解んない気持ちから作り出されたもの、なんだと思う。 一つだけ言えるのは、私は…加奈を──愛している。 それも……そろそろ期限切れ。 和真も、最近それをうすうす感じているのだろう。 ふっ、泣かなきゃいいけど…
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