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「和真ー!起きろーー!!」
「っ……、耳の傍で大声出すなって、毎日言わせんなよ。優しく起こせって」
「はいはい。それは明日の朝から、加奈に優しーく起こしてもらって!」
また…そんな悲しそうな顔をする。
「ほら!起きた起きた!今日は大事な二人の結婚式でしょ!加奈が来ちゃうよ!」
朝が苦手な和真を何とか、加奈が到着するまでに準備をさせる事に成功。
『……明日は必ず…さなも一緒に連れて行くからな』
連れて行くからな、って、私が自分で動かないと無理な事、分かってるくせに。
勿論、今日は一緒に行くよ。
加奈と和真の結婚式だから。
私が和真の部屋から外に出なくなって、どのくらい?
半年か…一年位前からか…。
それまでは和真について、遠くまでドライブ行ったり、近所のコンビニ行ったりしてたから、私が何処にも行かなくなったのは『行かない』じゃなくて…体を動かす事に疲れる感覚が増してきたから。
恐らく私のタイムリミットが近いんだと思う。
私がここへ来てから、もう10年になるんだよね。
10年前──
気付いたら家の前にいて、皆が泣いていて訳が分からなかった。
ううん、私が居眠り運転の車に巻き込まれて亡くなった?事は分かった。
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