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回転寿司も注文せず急いで食べればファストフード店でハンバーガーを買うより早く食事を終えることも出来る。もっとも、回転寿司好きなJOLJUは流れる寿司に目を輝かせて目移りばかりするのでけして早く終わらないのだが。
「安い寿司でいいんだな?」
「うむだJO」
ユージはJOLJUの要求を飲んだ。二人は並んで車に向かった。そして、ユージは一番近くのコンビニによって寿司の折詰弁当を買った。JOLJUは助手席で苦虫を噛み潰したような表情で黙々とそれを食べたのだった。
紫ノ上島 午後21時30分
もう何度も聞いたモニターの呼び出し音。
2分後、島中に設置されたモニターにサタンの姿が映し出された。
『先程の件の結論が出ました。熟考した結果お二人の提案を受け入れましょう。具体的な内容をお聞かせいただけますか?』
「具体的も何もさっき言ったジャン。アンタ一人がスズっちをつれて埠頭に来る、そこであたしだけがいて銃が交換する。時間は余裕もって10時にしてあげるわ」
「内容は変わらない。お前の返答はイエスしかないはずだ。元々この条件はお前が提示したんだからな。俺たちとしてはそれを守るだけに過ぎない」
拓とサクラは住宅地の東部にいた……ようになっている。
実際そのカメラのある場所に二人はいない。いるのは飛鳥、そして片山と宮村だ。三人は撮影機器を駆使しタイミングを見計らって映像を流しているのだ。
『僕がその約束を守らなければいけない絶対の理由はないですよね?』
(ミヤムー! パターン6再生!)
飛鳥が合図を送り宮村は頷きすぐに映像を切り替え作業に入った。やり方は速見や斉藤他ADたちから聞いたし何より飛鳥がこの手の事に詳しかった。
「なら今すぐ沖縄基地にかける。もうそろそろ待機が終わってるかもよぉ~? 海兵隊。今のアンタたちに敵うとは思えないけどぉ?」
「もちろんお前だけじゃない。海上でこの島の惨劇を観て楽しんでいる馬鹿共も一緒だ。連中にも確認してみたらどうだ? 【米軍にテロリストとして捕まったらどうなるか】ってな。冷静ではいられないと思うが」
「あたしたちがもう相当今回の事件の真相知ってるのは分かってるでしょ? 誤魔化しも嘘もいらん、答えはイエス! これが聞けないなら、アンタのことは今後一切信用しない。スズっちはあたしらが強引に奪還してあげる。ふっふっふ♪」
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