第1章

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うち、酒井。 最近、全国のレディ達にモテモテのうちは、よっちゃんと、パトちゃんとレディに会いに行こうって話になったんだよ。勿論、うちの愛棒もノリノリだよね。 やっぱり夏だから海の近くがイイってことで今回は、うちのことが大好きなにおんたんと仲良しの桃ろくちゃんがいる、地獄の釜に決まったんだよ。 桃ろくちゃんはよっちゃんとも仲良しみたいだよ。それに、あそこには素敵なレディ達がいっぱいいるってぴよさんが言ってたしね。 うちの眩いティクビームでみんなを悩殺だね!・・・ハァハァハァ よっちゃんの友達の門ちゃんが地獄まで連れて行ってくれることになったよ。 レディ達は『門様』って言ってたけど、うちのことは『酒井』って呼び捨て。みんなうちの前では照れ屋さんなんだね。ツンデレなレディ達もうちは大好きだよ。グフフ! 地獄の釜に到着してビックリしたよ。水族館だったんだよね。 それに暗くて寒くて、地獄はなんと冬だったから。海のすぐ側だからわかったけど、誰も泳いでいないんだ。うちの愛棒やティクBは、がっかりしてしまったよ。 「ワワワンッ!」 パトちゃんがチケット売り場を見つけてくれたから、うちが買いにいったんだよ。 「3枚???・・・あのぅ、申し訳ありませんが、犬の入館はできませんので、事務所でお預かりする形になりますがよろしいでしょうか?」 『しかたないよ、ぼく待っているよ』 よっちゃんも頷いている。 「可愛い!なんてお名前ですか?」 ピンクのジャンパーを着た、お人形のようなレディが声を掛けてきたよハァハァ。 「パトラッシュのパトちゃんです。ハァハァハァ」 『あなたもかわいいよ!ペロッ!』 パトちゃんはレディに抱き付いてチュウしたよ! う、う、うちもっ!! 「それではパトちゃん、お預かりいたしますね。リードやゲージはお持ちですか?」 お人形レディはうちから一歩離れて聞いてきたよ。シャイなんだね、スタッフだし仕事チュウはいけないものね。 『アロアママがリード持たせてくれたよね』 『ウエストパックからへんなもの出しちゃダメだよ!ワン!』 『口から出そうな汁もしまってね!』 よっちゃんのことが見えないのか、うちがカッコよすぎるからかうち一人分の チケットを買ってパトちゃんを抱っこしたお人形レディに続いたよ。
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