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少し進んだけで一気に暗くなります。深海と云われるゾーンのようです。
王子さまに抱っこされていてもパトちゃんはガタガタ震えていました。声を出さないではなく、声も出ないって感じです。
おまけに大きなトンネルの水槽では、閻魔館長が立ち止まり延々と演説みたいな説明を始めたのです。
『大丈夫だよ』と、王子さまは優しく撫でてくれたけれど、黒くて大きな魚がじっとこちらを見て近づいて来ます。それも軽く4ひき!
パクパクしているでっかい口からはチクチクした細かい歯がぎっしり見えます。
「お前は何者だ?!」と、脅しているように感じてパトちゃんは泣きそうになりました。
『こ・ん・に・ち・は・ボクよっちゃん』
ありえません!よっちゃんはどんどん集まって来る魚達とお話ししています。
『すごい!やっぱり、よっちゃんは何処にいても「よっちゃん」なんだぁ!』
パトちゃんは少し安心して目を瞑りました。
魚達の声も水流や水泡の音も馴れてきて、心地好く少しうとうとしたたのに、またパトちゃんはびっくり。あまりの怖さに固まりました。
「なぜ、サメがこのような狭い水槽に?」
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