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ならいっそ、自分から別れを告げた方が、
まだ、……少しはましな気がしたから。
服装が四之宮家にふさわしくないので、
着替えるように言われていたことを思い出し、体を起こす。
クローゼットを開けると、
溢れんばかりに新しい洋服が掛かってた。
その中から黒いワンピースを選び出す。
着ている服を脱ぐと、
ブラの中からお守り袋が少しのぞいてた。
誰にも見つからないようにそっと取り出すと、
……また涙が、落ちた。
そのまま声もなく、少しだけ泣いた。
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