先生のごはん。最終章 始まる年

一．人形

本家に着いたら、持ち物はすべて、捨てられた。
……といっても、指環とネックレスは隠してたし、
携帯は既に水没させられてたから、腕時計だけ。
先生からもらった大切な腕時計を捨てられるだけでも、
身を切られる思いなのに、
「こんな安物」って鼻で笑われて悔しかった。

「志桜里。これからのことはわかっているな？」

「……はい」

……パパたちを殺した罪を償っていく。ただ、それだけ。