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「流石京介ね。どっかの腐れ帽子野郎とは大違いだわ」
「それはひどくない?」
京介の気遣いに美咲は目を輝かせ、松坂は傷つく。
そんな中臨也はそそくさと文章を書いた。
「ほら、さっさと書けアバズレ」
臨也:唐突だがここで昔話をしよう。
美咲:それは小さな出来事かもしれない。他人から見れば些細でどうでもいいことかもしれない。でも、私には関係ない。それはどんなに小さくても些細なものでも、私にとってはとても大切なことなんだから。彼との出会いは今でも鮮明に覚えている。
松坂:それは気のせいだった。
京介:やっぱ思い出した。
臨也:やっぱ忘れた。
「園崎、私はとても残念。京介の親友だから生かしておいたけど、それも今日までなんて」
「ふん、俺の力を甘く見るなよ!? お前の暴力に怯える日々は今日で終わり、俺は貴様に勝つ!!!」
二人は確かな闘士を見せ立ち上がると、すぐに行動に出た。
そして三秒で決着がついた。
「でも、次は私だからどうとでもできるわ!!!」
巨大なたんこぶができ、床に転がる臨也をまるで気にせずそう言った。
京介と松坂は見て見ぬふりをしてしまった。
そうして幾分か時間が過ぎ。臨也が殴られ松坂が書き、臨也が蹴られ京介が書き、臨也が屠られ臨也が書き、臨也が暴力を振るわれ美咲が書き。それを繰り返し、結構な量の文字が書きあがった。
が。
「・・・うん、まぁ、うん」
「ふっ、上々じゃねぇか」
「大体美咲のせいだな」
「本気で殺すわよ園崎」
各々のリアクションをする。松坂以外はどうも微妙そうな表情だ。
臨也でさえ『え、なにこれは』という気持ちだ。
そんな途中経過の小説は、こうなっていた!
臨也:唐突だがここで昔話をしよう。
美咲:それは小さな出来事かもしれない。他人から見れば些細でどうでもいいことかもしれない。でも、私には関係ない。それはどんなに小さくても些細なものでも、私にとってはとても大切なことなんだから。彼との出会いは今でも鮮明に覚えている。
松坂:それは気のせいだった。
京介:やっぱ思い出した。
臨也:やっぱ忘れた。
美咲:それでも私は必死に思い出した。
松坂:「サッカーしようぜ!」
京介:目指せ甲子園!
臨也:俺は無知だった。
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