Act.14 そして歯車は動き出す

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「背に腹は、代えられません、か…」  ギルティアが、ふぅ、とため息をつき、剣を構える。 「…存在の修復を開始」  ギルティアの身体が、光に包まれる。 「…ルーク…」  光が、剣の一閃によって真っ二つになる。背から生えた白と黒の一対の翼、そして腰から生えた一対の黒き翼。  そして、禍々しき左腕の爪。それは紛れも無く、小さくなる前のギルティアの姿だった。 「…今、助けます!」  ギルティアが、異形に向けて飛び立つ。 「ルーク、私が隙を作りますので、異形に時空震ブレスを叩き込んで下さい!!」 「何!?」 「大丈夫、私を信じて下さい!!」 「…分かった、貴公を信じよう!!」  ギルティアが、異形の体中の顔という顔の眼球に向け、左腕の爪から放つ光線を叩き込む。見事に目を潰された異形が、怯む。 「今です!!」 「了解した!!」  ルークが、渾身の時空震ブレスを叩き込む。至近距離からその直撃を受けた異形の身体が、バラバラに吹き飛ぶ。 「これで、終わらせます!!」  爆発が収まらない内に、ギルティアが異形の核目掛けて突っ込む。異形の破片が、その周囲に集まっていき、再生が始まる。  しかし、次の瞬間、蒼い光が、再生を始めた異形を、貫いた。異形の破片が、ボトボトと音を立てて崩れ落ちていく。  その中央には、左腕の爪が放つ閃光で、異形の核を貫くギルティアの姿があった。 「…私の仲間を、これ以上傷つける事は、許しません」  閃光が、更に強くなる。異形の核は、その閃光に飲み込まれて跡形も無く蒸発した。 「願わくば、汝の罪が祓われん事を…」  ギルティアが、静かに呟く。
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