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「最高だった。」
狂気を孕んだ眼に映るのは、小説家・進藤の新作“3時のおやつ”であった。
数時間前に本屋から購入してきたのだ。寝る前の楽しみに、と。
竜胆カナトはその本をまた初めからパラパラとめくり、自分の好きなシーンで止め、またじっくりと活字を辿る。
何度その行為を繰り返したであろうか。
もう時刻は深夜を回っていた。
しかし、高揚で眠れそうもない。
部屋のパソコンを起動すると、彼の公式サイトをクリックした。
昨日チェックしたときにはなかった彼の感想が投稿されているのに気づくと、画面に顔を近づけてそれを読んだ。
そしてカナトは決心する。
「文字を、この世界で当てはめよう」
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