p.1 レシピ

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カナトはまず知識を蓄えようと考えた。 「毎日図書館通いか・・・」 そう考えるとなんだか憂鬱になる。 カナトは自分の興味以外のことに全くと言っていいほど無関心なのだ。 真紀子の言う“知識の快楽”に溺れることはカナトには不向きらしい。 しかしそれではカナトの理想に触れることさえ難しい。 「…料理と生物だけなら……」 俺にもやれるかもしれない。 そう思うのに時間はそうかからなかった。 今日はこのまま眠ることは難しいだろう。 しかし眠らなければ明日の授業中に寝てしまいそうだ。 いや、0時はとうに過ぎているのだから今日と言うべきか。 カナトはパソコンの電源を切るとベッドに寝転がり目を瞑った。 頭の中では小説の内容があれこれ浮かんできて、睡眠を妨る。 部屋から寝息が聞こえてきたのはもう明け方だった。
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