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あれから数ヶ月、部活に明け暮れていた俺は千晃と付き合いはじめて、初めての休みを迎えていた。
で、三連休で人があふれている都会の街をなぜか疾走中。
「ったく、なんで、出口いっぱいあんだよ!はぁはぁっ。」
何個目かの階段を駆け上がり、季節先取りの寒空の下に出る。
手にしたスマホを見ると、暗いままの画面に俺の顔が映る。
ひどい顔…。
そう思いながら操作するが、やはり画面は明るくならない。
「くっそっ。」
千晃との約束に遅れないように、スマホでアラームかけまくってたクセに寝坊して、しかも充電し忘れてて。
道に迷ったって、気づいた時には充電切れて。
千晃に連絡出来ねぇ…。
腕時計で時間を確認する。
待ち合わせの時間から、30分は過ぎてる。
この寒さで一人待つ千晃が頭によぎる。
「うぁぁぁ、もうっ。」
信号待ちにイライラ。
人の目なんて気にならない位、焦ってダッシュする。
見えた!!!
約束の場所が見えてきて、さらにスピードアップ。
人ごみの中で千晃を探す。
居ねぇ…。
もう一度、腕時計の時間を見る。
約束の時間から、もう少しで1時間過ぎそうになってる。
まさか、帰ったか?
不安になりながら、少し範囲を広げて探そうと顔を上げると、頭に衝撃が走った。
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