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「こんにちは。秀太。」
「千晃!」
少し頬を赤くして、直也先輩の後ろから出て来た千晃は可愛いワンピース姿だった。
「遅かったから、心配したよぉ。」
「ごめん。」
「ううん、良かった。無事に会えて。」
そう言って笑う千晃は、学校で会う千晃とは少し違って見えた。
「ちあちゃん、もっと怒った方がええで!」
あっ、忘れてた…。
千晃の可愛さに、真司郎達は視界に入っていなかった。
「ほんま、なに考えてんねん。こんな目立つ所に、ちあちゃん一人にするなんて!」
「ちょっとぉ、子ども扱いしないでよ。」
「いやいや、ちあちゃん!ここにおる間、何人に声掛けられてると思ってんねん!」
は?
すごい勢いで話す真司郎に笑いながら、千晃は何人かなぁなんて、のん気に考え始めた。
「4人や!4人!」
「そうだっけ?」
「俺と直也くんが行かなかったら、もっと来とったで!」
「そうなの?」
なるべく平常心で聞き返すと、千晃はそうみたいと笑った。
「道を聞かれるから、困っちゃった。この辺知らないし…。」
「そんなん、口実やからな!たいがい、そんなヤツら道に迷ってへんわ!」
興奮気味に真司郎が言う。
「ごめんな。」
「ううん。平気だよ。」
「まったく…。様子見に来て、正解やったわ。」
そういえば、なんで2人がいるんだ?
疑問に思い、直也先輩を見た。
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