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やっぱ、見間違いだったのか? 暑さで頭いかれてたのだろうか。 そもそも、確かにあの人だったのか? 疑問がぐるぐると頭の中を巡る。 図書館で試験勉強をしながらも、意識はついついカウンターに向かってしまっていた。 近くの席に座ってチラチラ見ているというのに、目なんて一度も合わないのがほんのちょっと癪だ。 例の司書はというと、今日も相変わらず淡々と仕事をこなしていて。 どう考えても、あの時こけた人と同一人物には思えない。 てゆうか、なんで俺あの人をチラ見してんだ…。 いやだってさぁ、あんなの見ちゃったら興味わくじゃん。面白半分なだけだし。 心の中でいい訳を繰り返す。 目も合わないのをいいことに少し観察してみた。 確かにクールビューティーってのはああいうのを言うんだろうな。悔しいけど。 真面目な印象に似合わず、少し明るめの髪の毛。 だけどそれは本当に自然にマッチしていて、あの瞳の色からしても、きっと地毛だろう。
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