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うわ、本物だ。
どうしよう。
まさか今会うと思わなかった。
急にそわそわと落ち着かなくなる。
今日はカウンターじゃなくて、図書の整理でもしているのだろうか。
立花さんはいつも通りの無表情で本を運んでいる。
ついつい目で追ってしまう。
向こうは俺に全く気付いていないようだ。
「わっ」
その時、小さな悲鳴が聞こえたかと思ったら、
突然バサバサバサッという大きな音とともに本が勢いよく床に散らばった。
え、何?!
何が起きた?!
一瞬何が何だか分からなかった。
立花さんが足を何かにひっかけたみたいに、一瞬バランスを崩した…ように見えた。
でも、
そこ何もなかったよね?!
俺が混乱しているうちに、立花さんは黙々と本を拾いはじめた。
まるで何事もなかったように。
…いや違う。
よく見ると、真っ赤な顔でうるうると涙ぐんでいる。
え…
え、え?
ちょっと待って。
何…その顔。
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