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雨に打たれて、
水たまりを蹴って、
わけも分からないくらいぐちゃぐちゃに濡れて、汚れて。
それでも、この瞬間の俺たちはなんだかキラキラとしているように思えた。
とんだ災難なのに、なぜか楽しくなってくる。
… そんなの当たり前か。
大雨の中を二人で走ってるんだ。
手を繋いで。
運命を共にして。
こういうの、なんて言うんだっけ?
あ、そうだ。
薫さんが走りながら俺を見て笑う。
その笑顔がこう言っているような気がした。
〝あめあめ、ふれふれって気分〟
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