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「髪、茶色いですよね」
「あ…うん、生まれつき」
「目の色も綺麗だし」
「そう?僕は、ゆーたの目が好き。女の子だったらイチコロだろうな」
…だから、俺は薫さんなら男でもいいよ。つか薫さんがいい。
「薫さんは?」
「え?」
「イチコロじゃない?」
「………」
黙ってしまった薫さんに苦笑が漏れる。
「冗談だよ」
「……からかって…ひどい」
俺が笑い飛ばすと、薫さんが拗ねた口調でつぶやいた。
可愛いから、もう少しからかっちゃおうかな。
「はい、おしまい」
どさくさに紛れて、一瞬だけ、ぎゅーっと後ろから抱きしめてみた。
「わっ、何?!」
「なんか、ちっちゃくて可愛いな~って」
驚いて振り返った薫さんを、そう言ってまた抱きしめる。
あー、抱き心地がたまらない。
いや、下心もあるけど、純粋に可愛いこの人が。
「意味わかんないっ」
薫さんは焦ってわたわたしているけど、無理に抜け出そうとはしなかった。
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