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薫さんが急に「あっ」と言って、近くにあった座布団を取ろうとした。
四つん這いで。
うわ、ちょっと、この眺めは犯罪的…
露出度の高いその格好で、四つん這いはやめてほしい。
薫さんが腰を高く突き出すようにして座布団に手を伸ばす。
めちゃめちゃセクシーなんですけど…
見えそうで見えない、その際どさにひどくそそられる。
「あ、座布団一つしかないや。どうぞ」
薫さんが取った座布団を渡してきて我に返った。
邪念を振り払うかのように明るく冗談をとばす。
「じゃあ、薫さんは俺の上に座る?」
「えっ…」
薫さんが座布団を落として固まった。
そういうベタな反応がいつもたまらない。
「うそだよ。薫さん使って。俺は疲れたらソファ座るし」
「でも…」
「座布団か俺の膝か。どっちでもいいよ」
俺がそう言ったら、薫さんは恥ずかしがって渋々座布団に座った。
「残念」
「もう、からかわないでよ」
冗談にしなくてもいいんだけどね、俺は。
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