城戸優太

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「うちの図書館司書めっちゃ感じ悪くない?」 学食で昼食をとりながら同じゼミの杉田と話す。杉田とは一年の頃から仲がいい。 「学生課もひどいよ。対応最悪だってみんな言ってる。大学職員ってみんなそうなんかな」 学生課も対応の悪さで有名だ。国立大学だからだろうか。 「今日なんてさ、一緒にカバンに入れてたペットボトルの水滴でちょっと湿ったくらいで、『この本濡れてます。弁償してもらうかもしれません。』だぜ?!」 例の司書の声色を真似て言う。 「あちゃー、ドンマイ」 そんな話をしていた時のことだ。 「お、あたしもここいい?」 同じくゼミが一緒の石橋さんがやってきた。教授のフレンドリーな人柄のおかげで、俺達のゼミは男女ともに皆仲がいい。 「もちろん」 石橋さんは空いている杉田の隣、俺の向かいに座った。 「何の話してたの?」 「あぁ、図書館司書が感じ悪いって話」 そう言ったら石橋さんが目を輝かせた。
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