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ライブハウスに赤いスポットライト。 ステージの上にいる 高校生の柴谷朱音。 RED RAINの演奏。 朱音は真っ赤なギターを奏でながら歌っている。 グッズ売り場。積み上げられたCD。 赤いジャケットに『RED RAIN』 それは飛ぶように売れていく。 拍手と歓声。 客席にいる亜音。 マイクを持つ朱音。 「みんな、今まで応援してくれてありがとう。RED RAINは、今日で解散します」 どよめく客席。 驚いて立ち上がる亜音。 亜音のポケットから落ちるBLUE MAKERのCD。 ケースが開き、ディスクが飛び出す。 青いディスクが粉々に割れる。 翌日の教室。 生徒たちがそれぞれ話したりしている。 メガネをかけた朱音が入ってくる。 朱音に駆け寄る亜音。 「解散って、何だよ」 「会社、法人、結社などの団体組織を、一定の手続きにより解消させること」 「言葉の意味じゃなくてさ」 「来年受験じゃない。アタシもちょっと勉強しないと」 「べ、勉強?」 「狙ってんのよね、早稲田」 「わ、早稲田?」 「亜音、わかってる? 一年後にはもう入試始まってるんだよ」 「わかってるけど、昨日はだって、朱音の誕生日だったのに。そんな日に、解散とか」 「アタシももう十七だもんね。これを境にね。いつまでもバカばっかりやってらんないよ」 「一緒にMステ出ようって約束したじゃないか」 「アタシはタモさんの後輩になるよ」 「朱音!」 「夢で飯は食って行けない」
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