【4】ついてても好きかもしれない…俺、婿。学園パーリーday

2/11
前へ
/25ページ
次へ
朝や…… ああ…… チュンチュンと鳥の鳴き声がのどかすぎるわ…… 「あー…、やっと起きてきよったか。戒……? なんや眠そうやな」 食堂で、仕事仕様の三つ揃いの背広をビシッときめた親父が 焼きたてのクロワッサンをちぎる手を止めて訝しげに俺を見た。 頼むから、下手なツッコミはせぇへんでくれ。 アレなナニに興奮して寝不足とか、永遠に言えんわ! 「ああ、そや。 ユキトちゃんもまだ起きてこんのやけど、戒、お前ちょお見てきてくれんかいのぉ」 「多分、初めての長旅で疲れとるんやろけど……今日から早速学校やさかい、もう起こさんとマズイやろ」 俺は半分以上、ぼーー…とした頭で、ネクタイを締めつつ頷いた。 「あー…… わぁった……」 「ふーん…」 そんな俺を見て、親父が妙にニヤリと笑った。 ……なんや。気色悪いな。 「あ"?」 俺が不満げにチラリと見ると親父のやつ、『きしし♪』 とやらしい笑いを浮かべ、こんなん言いおった。 「素直に世話やくところを見るとぉ~… 戒、お前気に入ったんやろ? ユキトちゃんのこと♪」 どきっ!! いや!!ナニにドキドキしとんねん!! 俺!! 「べっ……別にそんなんやないわ!! ただ!! なななんちゅーか!! …っっ……なっ…なんでもあらへん!! 行ってくればいいんやろ!?」 俺は、思いっきり不覚にも耳まで赤くなり、慌てんでもええのに、全速力で雪斗くんの部屋へダッシュしていた。 ああ…… 頬杖ついて、満足気に『ムッフーン♪』とかゆってる親父の顔が浮かぶわ!! くそったれ!!
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

42人が本棚に入れています
本棚に追加