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親父は満面の笑みを浮かべ、いまにも雪斗くんをハグしそうな勢いやったが
そのとなりで鼻にティッシュつめて横向いとる俺に、いらん心配を投げてきおった。
「なんや? 戒…… おま…。 なに鼻血出しとんねん…?? 」
雪斗くんも、きょとんとしとる。
「いや…… なんでもあらへん…」
見んといて!!
頼むからつっこまんといてえぇ!!
一番信じられへんのは俺!!なんやぁぁ!!
せやかて!! ついてた!!
ちっちゃかったけど、確かに! 確かに『ついてた!!』
男♂や!! 間違いない!!
つか寝るときはノーパンが《しきたり》なんか!? まさか今ははいとるんやろな!?
せやけどせやけど!!
それにしてもなんで俺………っ…
『アレ』見て鼻血吹いとんねん~~!!!!!
あああ!!
自分がわからん!!
混乱して頭を抱える俺を、ワケわからんゆう顔して親父がなんやら言うてきた。
「なんや? 戒… お前その顔、おもろスギるで? 大丈夫かいな」
大丈夫に見えるんか!
「まあええわ」
ええんかい!! 少しは大人の階段を危ない方向に渡りそうな息子の心配せんかい!!
「あんな。今日だけは校長先生らに挨拶せなあかんから、わしがユキトちゃんに付き添うが、明日からはお前がしっかりつれてくんやぞ? ええか?」
「わ…… わかっとるがな」
俺は鼻をごしごし拭いて、バツが悪そうに返事をした。
もう、なんでも来いや!! 好きにしたって!
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