42人が本棚に入れています
本棚に追加
その日は、朝から生徒どころか先生達もなんちゅうか、授業も上の空で、みんなの視線がチラチラ雪斗くんに向けられとった。
雪斗くんも気付いて、ちょっとおどおど赤くなって、落ち着かない素振りでもじもじしとる。
あかんて。
それ、萌えるわ。
男子がだいぶ、いけない道に踏み込みそうな熱い視線になっとるがな……
そんなわけで、やっと昼休みになった。
俺は雪斗くんの腕を、チャイムと同時に引っ張り、クラスメイトが呆気にとられてる間に、弁当を抱えて中庭に避難した。
あのままやったらランチどころやないからな。
俺は弁当を開いて、やっと落ち着いたところで、雪斗くんに話しかけた。
「急にすまんかったな。 朝からえらいびっくりしたやろ? 大丈夫か?」
「…はっはい… やっぱり転校生って珍しいのでしょうか?」
あかん……
自分、えらい目立ってる自覚、皆無や。
最初のコメントを投稿しよう!